
2025年9月19日 イーサリアム(ETH)相場分析
2025-09-18
価格
$4600.13▲ 0.02%
要約
Grayscale ETP承認やETFプロセス迅速化など、機関投資家のETHアクセス改善と資金流入期待が高まっています。CMEでのアルトコインデリバティブ拡大も市場の成熟を示唆。
FRB利下げは影響限定的だが、AI投資拡大はエコシステムを後押し。テクニカルは中立ながら、ファンダメンタルズは着実に強気材料を積み上げており、中立からやや強気バイアスを維持します。
ファンダメンタル分析
・米国でGrayscaleのマルチアセット仮想通貨ETPが承認、イーサリアムも対象
SECがGrayscaleのデジタル大規模ファンド(GLDC)を承認したことは、仮想通貨市場全体にとって重要なマイルストーンである。このETPはビットコイン、イーサリアム、XRP、Solana、Cardanoといった主要5通貨にエクスポージャーを提供するため、機関投資家によるイーサリアムへのアクセスが容易になる。これにより、イーサリアムへの新たな資金流入が期待され、価格の安定化と上昇に寄与する可能性がある。また、これは米国における仮想通貨ETPの承認が進む兆候であり、将来的なイーサリアム現物ETF承認への期待を高める。
・SolanaとXRPの先物オプション取引をCMEが10月に開始
CMEグループがSolanaとXRPの先物オプション取引を10月13日に開始することは、これらのアルトコインの機関投資家向けデリバティブ市場が拡大することを示唆している。これは、イーサリアムに次ぐ流動性と関心を集めるアルトコインに対する機関投資家の関心の高まりを反映しており、イーサリアムのオプション市場にも波及効果をもたらす可能性がある。イーサリアムの先物オプション市場は既に活況を呈しており、これらのアルトコインのデリバティブ市場の拡大は、市場全体の成熟度を高め、イーサリアムへの投資機会をさらに多様化させることに繋がる。
・米国で仮想通貨ETF承認プロセスを迅速化する標準がSECにより承認
SECが仮想通貨ETFの個別審査を不要とする標準を承認したことは、将来的なイーサリアム現物ETF承認のプロセスを大幅に加速させる可能性がある。これにより、より多くの仮想通貨ETFが迅速に承認され、機関投資家の市場参入が容易になる。イーサリアム現物ETFの承認は、市場への大規模な資金流入を促し、イーサリアムの価格に大きな影響を与えると考えられている。この規制緩和は、イーサリアムエコシステム全体にとってポジティブな材料となる。
・米連邦準備制度理事会(FRB)が0.25%の利下げを実施、市場の反応は限定的
FRBが0.25%の利下げを実施したことは、仮想通貨市場、特にイーサリアムのようなリスク資産にとって一般的にプラス材料とされる。しかし、市場は既にこの利下げを織り込んでいたため、短期的な価格への影響は限定的だった。FRBが2025年も追加利下げを行うかどうかの見通しについては、FOMC内でも意見が分かれており、今後の金融政策の方向性が市場の不確実性を高める要因となる。利下げは長期的に見れば流動性を供給し、リスク資産への投資を促すが、インフレ抑制とのバランスが重要となる。
・イーサリアムのステーキング解除キューが45日に延長、Vitalik Buterinが懸念に反論
イーサリアムのステーキング解除キューの長期化は、流動性への懸念を生じさせる可能性がある。しかし、イーサリアム共同創設者のVitalik Buterinがこれに反論し、イーサリアムのステーキング解除を「より直接的」なプロセスではなく、より戦略的なものだと説明している。これは、イーサリアムのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)メカニズムの根幹に関わる議論であり、短期的な流動性への懸念よりも、長期的なネットワークの安定性とセキュリティを重視する姿勢を示している。この状況は、イーサリアムへの長期投資家には影響が少ない可能性があるが、短期的な流動性を重視する投資家には懸念材料となり得る。
・DBS、Franklin Templeton、Rippleがトークン化された貸付サービスを開始
DBS、Franklin Templeton、Rippleといった大手金融機関がXRP Ledger上でトークン化された貸付サービスを開始することは、伝統的金融とブロックチェーン技術の融合がさらに進んでいることを示している。これは、機関投資家がトークン化された資産を活用して流動性を管理し、収益を得る新たな機会を提供する。イーサリアムは、DeFi分野における最先端のプラットフォームであり、これらの金融機関がイーサリアムベースのソリューションを検討する可能性も示唆している。トークン化された資産の拡大は、イーサリアムのユースケースをさらに広げることに繋がる。
・Nvidiaが英国の仮想通貨マイナー関連AI企業に6億8300万ドルを投資
Nvidiaが仮想通貨マイナーのAI部門であるNscaleに巨額の投資を行ったことは、AIとブロックチェーン技術の相互作用の重要性を示している。AIインフラへの投資は、ブロックチェーン技術の発展、特にイーサリアムのようなスマートコントラクトプラットフォーム上での複雑なアプリケーション開発を加速させる可能性がある。AIの進化は、イーサリアムのステーキング、DeFi、NFTなど、さまざまな分野でのイノベーションを促進する触媒となり得る。
【総合まとめ】
SECによる仮想通貨ETF承認プロセスの迅速化とGrayscaleのマルチアセットETP承認は、機関投資家によるイーサリアムへのアクセスを容易にし、市場への大規模な資金流入を期待させる。CMEによるSolana、XRP先物オプションの開始は、アルトコインデリバティブ市場の拡大を示唆しており、イーサリアム市場への波及効果も予想される。FRBの利下げは短期的には限定的な影響だが、長期的な流動性供給はイーサリアムの価格にポジティブに作用する可能性があり、AI分野への投資拡大もイーサリアムエコシステム全体の発展を後押しするだろう。
チャート分析
テクニカル分析
RSIは56.1で中立圏にあり、過熱感も売られすぎ感もありません。MACDはクロスしておらず、明確なトレンドは示唆されていません。
ボリンジャーバンドは価格がバンド内に収まっており、レンジ相場を示唆しています。現在の4,600ドルは直近高値・安値の中間に位置し、方向感の欠如を示しています。
注目価格帯
目先のレジスタンスは4,763ドル、その上には4,800ドルが意識されます。サポートは4,347ドル、その下は4,200ドルを想定します。
4,763ドルを明確に上抜ければ買い、4,347ドルを下抜ければ売りを検討するブレイクアウト/ブレイクダウン戦略が有効でしょう。短期的な利確目標は4,700ドル付近、損切りは直近安値下で設定します。
リスク分析
FRBの金融政策の不確実性、特に今後の追加利下げ見通しは、短期的な市場センチメントに影響を与える可能性があります。
イーサリアムのステーキング解除キュー長期化は、流動性への懸念をわずかに生じさせますが、Vitalik氏の反論もあり、長期的な安定性には問題ないと見られます。重要なサポートレベルは4,347ドル付近です。
将来予測
今後24-48時間は、現在のレンジ内での小幅な値動きが予想されます。ETF関連のニュースフローに市場が反応する可能性も。
1週間では、ファンダメンタルズの強さを背景に、レンジ上限を試す、あるいはブレイクアウトするシナリオが考えられます。注目すべきカタリストは、引き続きETF承認への期待感と、マクロ経済指標の発表です。
結論
総合的に判断すると、イーサリアム市場は機関投資家の参入拡大という強力なファンダメンタルズに支えられており、短期的には中立的なテクニカル指標が続くものの、長期的な上昇トレンドは維持されると見られます。SECによるETF承認プロセスの迅速化は、現物ETF承認への期待を一層高め、過去最高値更新に向けた強力な推進力となるでしょう。
投資戦略としては、現在価格4,600ドル付近での押し目買いが有効なアプローチです。短期的なサポートである4,500ドル近辺、あるいはより強いサポートである4,347ドルへの接近をエントリー機会と捉え、ポジションを構築することを推奨します。短期的な利確目標としては、直近高値である4,763ドルを意識し、それを超える場合は5,000ドルを目指す展開も視野に入れます。損切りラインは、4,347ドルを下回った場合、または4,200ドルを割った場合に設定し、リスクを限定することが肝要です。
今週は、4,763ドルのブレイクアウトが重要なチェックポイントとなります。これを明確に超えることができれば、さらなる上昇の勢いが増すでしょう。逆に、4,347ドルを下回るようであれば、市場心理が悪化し、下落トレンドに転換するリスクがあるため、警戒が必要です。リスク管理の観点からは、マクロ経済指標の発表や、SECの規制動向など、外部要因にも常に注意を払い、ポジションサイズを適切に管理することが重要です。
これらのポジティブなファンダメンタルズを背景に、イーサリアムは今後もその価値を高めていく可能性を秘めています。市場の短期的な変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことで、この成長の波に乗ることができるでしょう。確固たる戦略と冷静な判断で、このエキサイティングな市場機会を最大限に活かしていきましょう。
※本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言や推奨を行うものではありません。仮想通貨投資は価格変動リスクが高いため、ご自身の判断と責任において行ってください。